~ 母へ ~ 貴女の分も生きています
3月4日は、亡き母の誕生日。
「あと1日早く生まれてたら、女の子の節句だったのにねぇ」って、いつも言っていたけれど。
大丈夫。貴女は十分、最期まで女の子だったから♪
晩年、体調を崩すようになってから、負けん気の強かった母が段々弱気になって、
拗ねる、いじける、羨ましがる、まぁ… 面倒くさくなってきたけれど…(笑)
そのすべてが愛らしくて、憎めなくて、放っておけなくて、
可愛い人だったねと、今でも言われているのは、我が母ながら凄いと思う。
似てるよ(笑)って、近しい人は言うけれど、私にしたら、まだまだ修行が足りない(笑)
そんな母が、いつも、あたしを羨ましがっていた。
- 「あなたは自由でいいわねぇ~」
- 「お母さんは、やっと自由になれたと思ったら、病気になっちゃって...」
- 「お母さんの分まで、好きな事はなんでもやってね。」
何度も同じ話を繰り返すから「はいはい…」と聞き流していて、ごめんね。
時代が違うと言ってしまえばそれまでだけれど
母は、若い頃に父親(祖父)を亡くし、祖母と二人、稼ぎ頭となって妹や弟たちを養ってきた。
母の話によると、自分の給料を全部使えるようになったのは、30歳頃だったらしい。
結婚したのが35歳。新婚時代は、姑と義弟と同居でスタート。
今の婚活で言えば、「え~!厳しい~それ!」というところだろう。
義弟が結婚して家を出て行き、その少し前、母が38歳の時に、あたしが生まれた。
16年勤めていた会社をキッパリと辞めて、専業主婦になったのだから、
育児に専念する気構えは相当大きかったと思う。
仕事人間だった父と、庭や手芸は好きだけれど家事は一切やらない祖母と(笑)
我儘なあたしの世話を焼く日常は、楽しいこともあっただろうけれど、
ひとりで自由に動ける時間なんて限られていた。
祖母が亡くなって、あたしが嫁いで、父も仕事を引退して、
さぁ、これから旅行に行くぞ~、美味しい物食べ歩くぞ~っていう時になって、
-
気管支炎から喘息になる
-
緑内障が悪化。手術をしたら片目の視力を失う。
-
そのおかげで家の階段から落ちて、腕を複雑骨折
と病院と縁の切れない生活を強いられるようになってしまった。
それでも、365日具合が悪いわけではないのだし、自宅で日常生活を送れるのだから、
体調が良い時に、どこかに連れ出そうとすると、
「お母さんは、家が一番好きなの!」と駄々っ子のように動かない(苦笑)
58歳の時に、建て替えた家は、母の意見が90%以上通った注文建築で、
そういうのも、決してごり押しするのではなく、
「~だったらいいなぁ」「~みたいなの欲しいなぁ」と可愛く父に甘えて
YESと言わせてしまう、そのテクニックったら、ホント凄い(笑)
「引き寄せの法則」とか「男を虜にするテクニック」とか
まったく意識しないままの天然だから、素晴らしい(笑)
相手を褒める、相手を気持ちよくさせるという部分では、天才だったのだと思う。
母が、今のあたしの年齢の頃は…
1人で出かけても、夕飯の支度までには戻ってきてた。
夜中に飲みに行くとか、1人で旅行に行くとか、一度もなかった。
ひとり時間の楽しみは、デパートでお買い物した後に飲む、喫茶店の紅茶や
内緒で買って桐の箪笥に隠してあった、ロイヤルゼリーのドリンク。
母の幸せの大半は、家族の元気な笑顔や、ご馳走様の一言だったんだろうな。
母とは、埼玉の実家と当時住んでいた千葉と、別々に暮らしていたから
よく誕生日には、ブログで手紙みたいな独り言書いて
それを印刷して、渡していた。
遺品を整理していたら、その紙が全部出てきて、恥ずかしいやら、切ないやら(苦笑)
今日はお墓参りに行ってきたけど、此処でも呟いておこう(コホン!)
------- 母へ ------------------------------------
今日も…というか、日付が変わってしまったけれど
なんだか、貴女のことを想って、いろいろ書いています。
個人情報、勝手に出してごめんね(笑)
それにしても、お母さん。
会って、電話して、次の日倒れてそのまま逝っちゃうなんてさ
「育ててくれて、ありがとう」みたいな、貴女が好きそうな台詞も
言ってあげられなかったじゃない。
きっと「生まれてきてくれて、ありがとう」とか照れもせずに言い返すの
想像できるから、別にいいけれど(笑)
「あなたがいるから、お母さん頑張れるのよ。」
「ほんとに、あなたを産んでおいてよかったわ~。」
って耳にタコができるほど聞かされて育ったおけげで、
あたしは、やたらとポジティブだし、自分大好きでいられます(笑)
同じように、あたしも、息子にも言っちゃっていたみたいで
貴女の孫も、前向きで立ち直りが早いのが取り柄です(笑)
一人娘のあたしが嫁いだから、苗字は途絶えてしまったけれど
貴女の血は、ちゃんと引き継いでいるよ。
「あなたは、お母さんの自慢の娘♪」って
ずーっと言い続けてくれたおかげで
今も、自分の信じる道を、胸を張って歩けています。
やっぱり、ちゃんと伝えたかったな。
貴女が生きているうちに。
「ありがとう。貴女は私の自慢の母です。」って。
言って、泣かせてあげたかったな。
お母さん、
あたし、貴女の分も、自由に楽しんで、毎日を生きていきます。
空の上から、お父さんと一緒に仲良く見守っていてください。
「いつまで起きてるの~!もう寝なさい、身体壊すから」って
心配してくれる人がいなくなったから
夜更かしが治らないけど(苦笑)
じゃ、またね。
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思いつくままに書いた(打った)ので長くなりました。
たまたま読んでくれた方、失礼いたしました<(_ _)>